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    木曽川市民病院

診療コラム

慢性下肢閉塞性動脈硬化症の治療

心血管内治療部長 石黒 久晶

慢性下肢閉塞性動脈硬化症とは

足を栄養する動脈の狭窄、閉塞により、血流が足りなくなって様々な症状が出たり、壊死(血流不足により腐ること)が起きたりする病気です。原因は動脈硬化ですので、狭心症と同じく、糖尿病、高血圧、高脂血症などの持病がある方や、タバコを吸う方は、この病気になりやすくなります。また、動脈硬化は全身同時に進行しやすいので、狭心症と慢性下肢閉塞性動脈硬化症の両方が発症してしまう方も多く見られます。

症状

冷感やしびれ感、跛行(歩くとふくらはぎなどがだるくなること)で発症します。整形外科の病気(腰のヘルニアや脊柱管狭窄など)でも似た症状になりますし、年齢のせいだと諦めてお医者さんに相談されていない場合が多い病気です。実際、この病気の専門家である医師でない場合、見過してしまう場合も多く、疑わなければ診断が遅れてしまいがちです。治療が遅れた場合は、安静時の長く続く痛みが起きて、さらに進行すると5〜10%程度の方は壊死に進行し、足の切断が必要となります。足の症状があれば、原因が血管かどうかわからない場合でも、まずは循環器内科でご相談ください。

診断

ABIという、手足の血圧を同時に測る簡単な検査で、ある程度血管の詰まりや硬さを調べることができます。相談した当日にできるので、まずはこの病気の「疑わしさ」がわかります。疑わしければ、CTMRI・超音波エコーなどで診断します。

治療

当科では、カテーテルで治療を行なっています。複雑で難易度が高い場合が多いので、東海地区では限られた施設でしか質の高い治療を行うことができません。一宮市立市民病院では、血管外科と協力して、バイパス手術とカテーテルのどちらが患者さんにあった治療か評価し、最適な治療を提供する体制が整っています。

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