調剤室業務
調剤室について
調剤室では主に入院患者さんのお薬の調剤をしております。併設のお薬相談室では吸入薬及びインスリン等の使用法の指導、厳格な管理を要する薬剤についての説明と交付等を行っております。また、患者さんや院外薬局からの問い合わせにも対応しております。他にも、在宅注射調剤の充実、院外薬局との連携にも努めております。調剤は薬剤師の基本業務であるため、当院では全ての薬剤師が交代で担当しております。*外来患者さんのお薬は原則院外処方とさせて頂いております*



注射調剤室業務
注射調剤室のご紹介
注射調剤室では、患者さんごとに注射薬を調剤し病棟や外来に払い出しています。また、各科外来や病棟で使用する配置薬、検査で使用する造影剤などの補充を行っています。抗がん剤など一部の注射薬は、薬歴で投与量や休薬期間などを確認後、無菌調製をして安全に提供をしています。
臨床業務推進室業務

病棟業務(薬剤管理指導業務を含む)
当院の病棟業務の歴史は古く、服薬指導業務は平成2年7月から開始しました。患者さんに安全で安心な薬を提供することを心がけており、 現在は全ての病棟に薬剤師を配置、NICU・GCUやICU、手術室においても薬剤師が配置されています。 また、平成27年より病棟薬剤管理業務を開始し、病棟常駐化を進めてきました。各病棟での薬剤業務は、チーム制で行っています。1チームあたり4~8病棟を9~12名の薬剤師を配置しています。 主な業務としては、持参薬の確認、副作用・アレルギー歴の確認、薬の説明や相談、薬歴の管理、 副作用・相互作用・重複投薬などの確認はもとより、病棟での注射薬の調製、病棟薬品の管理、医療スタッフ (医師・看護師)への情報提供、チーム(医師、薬剤師、看護師、その他のスタッフ)による検討会等を行っています。 各チーム内は、常に情報共有をしており若手薬剤師からベテラン薬剤師まで同一の指導が行えるようにしています。
班 | 病棟名 | 診療科名 | 薬剤師配置人数 |
A班 | ER-ICU、HCU、院内ICU | すべての科 | 10名 |
手術室 | - | ||
3A | 循環器内科・血管外科・心臓血管外科 | ||
5B | 外科 | ||
B班 | 4A | 呼吸器内科 | 10名 |
6A | 血液内科・内分泌内科・腎臓内科 | ||
8B | 消化器内科・婦人科 | ||
6B | 循環器内科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・腎臓内科 | ||
C班 | 10B | 脳神経内科・消化器内科 | 11名 |
9B | 整形外科・眼科・歯科口腔外科・呼吸器内科 | ||
5A | 脳神経外科・皮膚科・呼吸器内科・放射線科 | ||
4C | 結核・感染症 | ||
4B | 産科 | ||
NICU・GCU | - | ||
7B | 小児科・耳鼻咽喉科・整形外科 |
緩和病棟
緩和ケア病棟では、薬剤師が医療用麻薬を中心とした薬物療法に積極的な介入を行い、患者さんの身体的苦痛の改善に取り組んでいます。
外来化学療法室(25床)

近年多種多様な抗悪性腫瘍剤が開発され、一方でそれらの副作用対策も確立してきています。昔は入院で行っていた、がん化学療法も、最近では外来で行うことができるようになりました。 我々薬剤師は医師・看護師と連携し、患者さんが安全に外来化学療法を受けられるように、がん化学療法における説明や副作用モニターを行い薬物療法における支援を行っています。 患者様に安心して治療を受けて頂けるように努めていきたいと思いますので、何でもご相談ください。
薬剤師外来
当院の薬剤師外来では、特に注意を必要とするお薬(抗悪性腫瘍薬、医療用麻薬など)を外来で使用している患者さんを対象に、専門的な薬剤師による面談を専用のブースで実施しています。お薬が始まる際には、使用方法や副作用、日常生活の注意点等について詳しく説明させて頂くとともに現在使用中のお薬との相互作用なども確認します。お薬を使い始めてからは、安心して適切に使用して頂くために使用状況や副作用の確認を行い、薬剤師の視点で医師に情報提供や提案を行っています。
患者サポートセンター
手術を受けられる患者さんの中にはたくさんの薬を服用し、サプリメント等を摂られている場合もあります。これらの中には手術に影響を与えてしまうものもあります。当院では、より安全で安心して手術を受けて頂けるように薬剤師が入院前に患者さんと面談し、情報を聞き取り、医師や看護師などへ情報提供を行っています。
プレアボイド報告
当院では、病棟での薬剤師業務の一環として、薬学的患者ケアによる副作用・相互作用等回避・薬物治療効果の向上に取り組んでおり、プレアボイド報告を積極的に行っております。
この度、一般社団法人 日本病院薬剤師会より「プレアボイド報告施設証」をいただきました。
製剤室業務
院内製剤とは、薬事法により承認され供給されている医薬品や検査薬だけでは最適な医療の提供が困難な場合、医師の要望により病院内で調製・製造する薬品です。安全安心かつ適正な院内製剤を調製するため、調製の手順に基準を設けたり、当院の倫理委員会の承認を得るなど日本病院薬剤師会発布の「院内製剤の調製及び使用に関する指針」に準拠し製剤業務を行っています。


薬品等管理室
薬品管理業務
病院内で使用される薬品の購入、在庫管理及び使用期限などの管理を行い、薬品を安定供給する役割を担っています。これらの業務は全てシステムによって管理されており、院内の各部署からの請求に対して、円滑かつ迅速に対応できるようになっています。薬品の発注および納品は毎日行っています。病棟や外来などに配置された薬剤は、薬剤師が定期的に点検を行い品質管理に努めています。また、不具合を確認した際にはメーカーに依頼し対応をおこない、厚生労働省への副作用報告なども行っています。
物流管理センター
多職種にて診療材料・医療機器・備品の管理を行っています。採用診療材料はSPDにより各部署に供給されています。使用頻度の少ない診療材料は物流管理センターから発注を行い納品時に検品を行っています。在庫期限管理、不具合対応も行っています。
安全対策業務
薬剤局内の医薬品安全使用のための業務に関する手順書の管理を行っています。定期的に院内における医薬品の業務手順書に基づく業務の実施が行われているかの確認を行っています。インシデントレポートを分析し部署内での周知など安全確保を目的とした改善のための方策を実施しています。
薬品情報システム管理室業務
各種マスター・システム管理
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治験薬・臨床試験管理業務
治験とは、国(厚生労働省)から製造販売の承認を得るために人を対象に行う試験のことで、国際的に定められたルール(GCP:医薬品の臨床試験の実施に関する基準)を順守して行われます。また、臨床試験(自主臨床試験)とは、より良い診断や治療のための様々な医学的データを得るもので、臨床試験によって得られた知見は、学会や専門雑誌への発表を通じて、医学の水準向上に役立ちます。薬剤局では治験・臨床研究の事務局として全てのデータ管理やマネジメント等に関わる重要な役割を果たしております。
【令和2年度実績】 治験:6件 臨床研究:47件
医薬品情報提供業務
医薬品情報提供業務 医薬品に関する必要な情報を必要時に迅速に提供が出来るよう、医薬品の基本的な情報から最新の情報までの収集と整理・保管を実施しています。
【主な情報提供業務】
- ・定期的な「Drug Information」という病院内スタッフ向け院内情報誌の提供。
- ・医薬品を正しく安全に使用して頂けるよう患者さんへ「お薬について」という説明書の提供。
- ・「薬事委員会」にて審議される医薬品の情報提供と審議結果に関する院内への情報提供。
教育に対する取り組み
- <学生に対する研修>
- 当院では、コアカリキュラムに基づく「6年制実務実習」の中で特に参加型実習を積極的に実施し実習終了時には、個々の担当患者さんの症例報告を行い振り返りの実施もしています。
- <新人薬剤師教育>
- 当院新人研修スケジュール(下図参照)に基づき、6か月後には薬剤局の一員として活躍が出来るよう教育研修を実施しています。
教育に対する取り組み
- <職員を対象とした研修等>
- 入職時に医師および看護師を対象に間違った医療行為を引き起こさないための研修の実施をしています。 薬剤師に関しては、チーム医療の担い手としての最新情報・知見・知識の習得のため、定期的に医薬品説明会やカンファレンス及び報告会の開催を実施しています。
【令和2年度実績】 医薬品等説明会:5回 薬薬連携研修会:5回 薬剤局カンファレンス:7回 出張報告会 :3回