【研修医】血管外科

血管外科

概要

当院の血管外科は血管外科として独立して診療を行なっている名古屋大学関連施設です。血管外科領域は脳、心臓以外の動脈・静脈・リンパ系の疾患を扱います。動脈瘤や解離などの大動脈疾患に対し外科手術のみならず新しくステントグラフトという低侵襲治療が広く普及してきています。また閉塞性動脈硬化症などの末梢動脈疾患に対してもバイパス手術のほか、血管内治療が普及しその進歩は著しいものがあります。今後も治療の適応や方法にまだまだ研究・発展の余地があり、高齢化社会に突入している昨今ではなくてはならない、やりがいのある診療科です。

特徴

もとは名古屋大学外科学第一講座の腫瘍研究室と血管外科研究室として存在していました。2002年4月に大学院大学再編成で独立し、名古屋大学血管外科教室が誕生しました。一宮市での血管外科は歴史が古く、大学の関連病院として愛知県立尾張病院(後の愛知県立循環器呼吸器病センター)の時から血管外科として診療を行なってきました。そして病院統合のため2010年10月から一宮市立市民病院に移転し、血管外科単独の診療科として発足、現在に至ります。当科は関連病院の中では症例数が1、2番目に多く十分に研修ができる環境です。資格ではまず外科専門医を取得し、最終的には心臓血管外科専門医を目指します。血管外科医の多くはまずしっかりと一般外科、特に消化器外科の修練を積むため、その先の心臓血管外科専門医まではハードルが高いように思われますが、違います。一般外科、消化器外科の手術経験があるため、身体のどの部位においてもメスを入れるということに躊躇がなくなります。これこそが血管外科医の真骨頂です。外科医として血管を含めてすべて切れる、また血管内治療もできて高齢者でも低侵襲に治せるという二刀流が可能になります。是非血管外科への道を検討してみてください。

初期研修

1年時は血管外科・心臓血管外科・泌尿器科の3科からの選択制で2週のローテート研修を行います。2年時は希望により2〜4週のローテート研修を行うことができます。初期研修でも皮膚縫合や静脈瘤手術・腹部手術での開腹など指導のもと積極的に行ないます。血管内治療ではデバイスの理解・血管穿刺(動脈・静脈)やカテーテル操作・ステント留置など指導のもと経験します。

研修カリキュラム

後期研修を含め卒後5年で外科専門医の資格を取得することを目標とします。卒後3年目から当院外科の専門研修プログラムに加入し一般外科研修を3年間行います。心臓血管外科修練も3年間必要で、その開始は卒後4年目から可能(外科研修との連動型)で、最短で卒後6年に心臓血管外科専門医試験の受験資格を得ることができます。この場合、外科・血管外科・心臓血管外科における研修の調整や症例経験数の問題で相談が必要です。単独型の心臓血管外科修練では、外科研修が終わった卒後6年目から血管外科に所属し修練を開始します。名古屋大学(血管外科・心臓血管外科)と連携して症例を経験することもあります。卒後8年で専門医試験の受験資格を得ることができます。

卒後1-2年目 初期研修 関連学会入会
日本外科学会専門医修練開始登録
外科専門医研修プログラム登録
卒後3-5年目 一般外科研修
(心臓血管外科研修)
外科専門医予備試験
外科専門医認定試験
(心臓血管外科修練開始登録)
(血管外科入局手続き)
卒後6-10年目 心臓血管外科研修
名古屋大学で臨床研修・研究
心臓血管外科修練開始登録
心臓血管外科専門医試験
大学院試験

カンファレンス・勉強会

  • 毎週火・木曜日:症例検討会(木曜は循環器内科、心臓外科と合同)
  • 毎月第4火曜日:抄読会

学会活動

地方会・研究会に参加し学会発表を行います。日本外科学会・日本血管外科学会・日本心臓血管外科学会・日本脈管学会などの全国学会の参加・発表を目指します。

週間スケジュール

曜日 主な業務
朝夕回診・外来・手術(胸部・腹部大動脈瘤など)
朝夕回診・外来・手術(下肢血管内治療・静脈瘤など)
朝夕回診・手術(腹部大動脈瘤など)
朝夕回診・外来・病棟処置(自己血貯血・シャントなど)
朝夕回診・手術(シャント・静脈瘤・TAVIなど)

研修施設認定

  • 日本外科学会指定外科専門医制度修練施設
  • 三学会構成心臓血管外科専門医認定機構基幹施設
  • 日本脈管学会認定施設