乳がんの早期発見のために
乳腺・内分泌外科部長 中西 賢一
3Dマンモグラフィ装置を導入
乳がんの早期発見がとても大切なことはみなさんご存知かと思います。乳がん検診の基本は視診・触診、そしてマンモグラフィ(乳房X線検査)です。さらに乳がんの可能性が高いと考えられる場合には、細い針を刺して組織を調べます(バイオプシー)。一宮市立市民病院では、最新のマンモグラフィ装置とバイオプシー装置を導入しましたのでご紹介します。
50μmの高精細画像を描出
今回導入されたマンモグラフィ装置AMULET SOPHINITYでは、最小画素サイズを50μmに設定することにより、微小石灰化などの病変も高精細に描出することができるようになりました。また、信号強調とノイズ抑制を同時に行う機能も搭載しています。
3D画像診断が可能
一般的なマンモグラフィでは一方向からX線が照射されるため、複数の構造物があった場合、重なり合って判別が難しくなります。今回導入した装置では、X線管球を動かしながら撮影し、その画像を再構成することにより構造物をその深さごとに分離して見ることができるようになりました。これによって、より正確な診断が期待できます。
画像はカタログから転載
また、マンモグラフィは、乳腺の重なりを少なくするため2枚の板の間に乳房を挟んで撮影します。人によっては痛みを感じることがありますが、この機種には画質に影響しない範囲で圧迫を自動で弱め、痛みを軽減する機能も搭載されています。
安心感と確実性の高いバイオプシー装置
マンモグラフィで乳がんが疑われた場合、乳房に細い針を刺して組織の一部を取り、病理学的に診断します。これをバイオプシーと言います。従来は上向きに寝た状態で針を刺していましたが、今回導入されたAffirm Prone Biopsy Systemでは下向きに寝た状態で針を刺すのが特徴です。患者さんが実際に針を見ることがありませんので、不安感を軽減することができます。
より正確な組織採取が可能
針とターゲットの位置関係がリアルタイムでグラフィック表示される機能が搭載されています。 これにより、乳房内へ針を刺した後も、針とターゲットの位置関係が視覚的に把握でき、安全かつ正確に組織を採取することが可能です。
画像はカタログから転載
受診の流れ
健康診断で異常を指摘された方
当院での二次検診をお勧めします。健康診断の結果報告書が紹介状代わりとなりますので、地域医療連携室を通じて乳腺・内分泌外科の予約を取ることができます。
ご自身で胸のしこりを見つけた方・特に症状はないが検診を受けたい方
お近くの医院・クリニックから当院乳腺・内分泌外科宛ての紹介状を書いてもらってください。地域医療連携室を通じて乳腺・内分泌外科の予約を取ることができます。
紹介状なしで乳腺・内分泌外科を当日受診することも可能ですが、選定医療費7700円がかかります。