• 研修医サイト

  • 看護局サイト

  • 一宮市立
    木曽川市民病院

ドクターインタビュー

いつのまにか骨折とその治療

P1360077-2-1.jpg

脳神経外科医長 白石 大門

人口の高齢化がどんどん進んでいる現在、脊椎の圧迫骨折に悩む患者さんが増えています。その治療経験が豊富な白石大門医師に話を聞きました。

Q1. いつのまにか骨折とはなんですか?

骨折というと転んだり、強くぶつけたりして受傷すると考える方が多いのではないでしょうか。ところが、特別な原因もなく普段の生活をしていて、調べてみたら背骨を骨折していたということがあります。これを「いつのまにか骨折」と呼んでいます。医学的には脊椎圧迫骨折と言います。

Q2. いつのまにか骨折の原因は?

原因はさまざまですが、その要因として最も大きなものは骨粗しょう症です。骨粗しょう症とは骨の中がスカスカになってもろくなり、ちょっとしたことで骨折しやすくなる病気のことです。

Q3. いつのまにか骨折になると、どのような問題が起こるのでしょうか?

背中が曲がってきたり、背が縮んできたり、腰が痛くなったりします。中でも腰痛が強い場合には身動きがとれず、寝たきりの状態になってしまうことがあります。

Q4. どのような治療法があるのでしょうか?

まずは安静とコルセットなどで固定することにより、骨が固まっていくのを待ちます。この間に骨粗しょう症の治療も検討します。骨がちょうどよくくっつけば、痛みは徐々によくなっていきます。
ところが、骨がうまく固まらず、強い痛みが続いてしまうことがあります。いままでは安静にして寝ていること以外できることはないと言われていましたが、このぐらぐらした骨を固めて痛みを緩和する治療法が一宮市立市民病院にも導入されました。これを経皮的椎体形成術(英語でBKP)といいます。

Q5. 経皮的椎体形成術(BKP)について教えてください。

全身麻酔で行うため、患者さんが寝ている間に終わります。背中の両側に約5mmの切開を入れ、骨折してつぶれた背骨に太い針をさします。そこで丈夫な風船を膨らませ、そのスペースに骨セメントを充填して、内側からぐらぐらした骨を固めて痛みをよくする手術になります。従来の治療法に比べて低侵襲で痛みを早くとるよい治療法だと思います。いつのまにか骨折や腰痛でお困りであれば、ぜひ一度ご相談ください。

診療科・部門のご案内

サイトマップ