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ドクターインタビュー

その紅斑、全身疾患のサインかもしれません

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副院長兼皮膚科部長 満間 照之

皮膚が赤くなっている部分は紅斑(こうはん)と呼ばれます。紅斑は皮膚そのものの病気であることもありますが、全身疾患の部分的な症状であることもあります。その診療の経験が豊富な一宮市立市民病院満間照之医師に話を聞きました。

Q1. 紅斑は皮膚で何が起きている状態ですか?

皮膚の一番表面を表皮、その下の層を真皮と呼びます。真皮の中には豊富な毛細血管があります。皮膚で何らかのトラブルがおきると、血液の成分が血管内でいろいろな炎症物質を出すことでトラブルを解決しようとします。毛細血管の活動が活発なために表面は赤くなり、紅斑として認識されます。

なんらかのアレルギーで生じる蕁麻疹(じんましん)の中には膨疹(ぼうしん)という一見紅斑に見える症状があります。こちらはヒスタミンという物質によって毛細血管から一時的に血液成分が漏れている状態で、数時間から24時間以内に消失するので紅斑とは異なる病態です。

Q2. 全身に出る紅斑にはどんな病気がありますか?

何らかの刺激で生じる湿疹、アトピー性皮膚炎、乾癬(かんせん)以外にも食物や薬などで生じる中毒疹、感染症などで生じる多形紅斑、内臓器の問題により生じる紅斑紅皮症、顔面や手足に症状が出やすい膠原病、生命に関わる病気としては悪性リンパ腫など多岐にわたる疾患があります。

Q3. 紅斑がなかなか治らないときに注意することはありますか?

先に挙げた内蔵疾患が関連する場合や膠原病、悪性リンパ腫などに注意する必要があります。また1か所だけ治らない紅斑があるときにはボーエン病、有棘細胞癌、パジェット病など皮膚癌であることもあります。

Q4. 診断と治療について教えてください。

皮膚は全身疾患の病態を表す臓器として最も観察しやすい臓器ですので、その場所で何が起きているかを考えながら疾患を鑑別し、診断していくことが大切です。紅斑の分布や形状である程度推察することはできますが、皮膚の一部をとって調べる皮膚生検や、CTなどの全身検索をして診断に至る場合もあります。内臓疾患が合併していることはよくありますので、まずは適切な診断が大切です。疾患がわかったときには原因となるものの治療に加え、皮膚の治療を内服薬や外用薬を用いて行っていきます。

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