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    木曽川市民病院

診療コラム

蕁麻疹(じんましん)

診療局長兼皮膚科部長 満間 照之

蕁麻疹はからだに赤く膨らむ皮疹(膨疹)を数時間から1日の間に出現、消退を繰り返す疾患で掻痒を伴います。多くの場合はヒスタミンという物質により毛細血管の透過性が亢進して血管外に血液の成分が一時的に流出して生じています。食事や薬などアレルギーによっておこることが知られていますが多くの場合には原因不明で感染症やつかれなどの体調不良が誘因になるとされています。そのため通常一般的なアレルギー検査は行われません。蕁麻疹を生じている方の皮膚をこすると数分で膨疹を誘発することができます。

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4週間以内におさまる急性蕁麻疹とそれ以上長引きなかなか治らなくなる慢性蕁麻疹があります。

診断

24時間以内に皮疹が消え、その後再燃するものが蕁麻疹ですが2-3日出たままになる蕁麻疹様血管炎という疾患があり、こちらは血管炎、膠原病や自己炎症性疾患などを合併し内臓の病気にも関連するため精査が必要になります。

主に口唇が一時的に腫れる血管性浮腫という病気もあります。遺伝することもあり急に悪化することがあり治療法も異なるので注意が必要です。

また小さい膨疹が多発するコリン性蕁麻疹という病気もあります。思春期に多く病気で緊張やストレスがかかった時に生じやすく無汗症という汗がうまくかけない病気と関連していることもあるのでその場合にも精査していきます。

治療

通常抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤を1週間ほど内服することで治まりますが、慢性に経過する場合には通常より多く内服することやオマリズマブという分子標的薬が必要になることもあります。また急性蕁麻疹のときに粘膜で同じようなことが起きている場合には、腹痛や呼吸苦が生じることがあり、重症例ではアナフィラキシー症状として血圧が急に下がる場合もありますので注意しなければなりません。一宮市立市民病院までお気軽にご相談ください。

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