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    木曽川市民病院

診療コラム

乾癬(かんせん)

診療局長兼皮膚科部長 満間 照之

乾癬とは炎症性角化症に分類される皮膚炎です。全身に鱗屑(りんせつ:薄くて大きいフケのようなもの)を伴う紅斑が多発する病気で頭部に生じるとフケが多くでるため生活において苦痛を生じる病気です。爪に生じると爪が陥凹しときとして関節リウマチに似た関節痛を生じることがあります。

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現在は外傷や感染症を契機に炎症細胞の分化が偏り、皮膚に炎症を促すことがわかってきました。関連する炎症物質(サイトカイン)についても解明が進んだこともあり、新しい治療方法がたくさん出てきています。

診断

乾癬には上で述べた尋常性乾癬、関節炎を伴った乾癬性関節炎、全身が赤くなる乾癬性紅皮症、膿疱が主になる膿疱性乾癬があり、特に膿疱性乾癬は遺伝的素因との関連がわかってきています。他の皮膚炎との鑑別には皮膚生検が有用です。

また、すべての患者で起こることではありませんが、乾癬は皮膚の炎症にとどまらず全身へ炎症が波及していくこともあるのでしっかり治療をしていくことが大切です。

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治療

軽症例はビタミンDやステロイドの外用剤で治療を行います。全身に皮疹が出ている場合にはUVA、ナローバンドUVB、エキシマライトなどの紫外線治療も有効です。皮膚炎のコントロールがつかない場合にはエトレチナート、シクロスポリン、アプレミラスト、メトトレキサートなどの内服薬に加え、最近ではJAK阻害薬など新しい薬も使用されるようになりました。さらに、炎症性サイトカインをピンポイントで抑える注射薬として生物学的製剤も多数登場したことにより、皮膚症状を改善し全身への炎症の波及も抑えられるようになってきました。一宮市立市民病院においても生物学的製剤を延べ300人近くに導入し、良好な結果を得ています。

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