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    木曽川市民病院

診療コラム

低髄液圧症・脳脊髄液漏出症の治療

脳卒中センター副センター長 秋 禎樹

起立性の頭痛、ふらつき、倦怠感、耳鳴りなど多くの症状を伴う疾患です。低髄液圧症・脳脊髄液漏出症・脳脊髄液減少症などさまざまな病名がありますが、これらはすべて同じ病気を視点を変えて見ることによる違いです。

外傷後数日以内に生じる「外傷性」と、はっきりとした原因を伴わずに発症する「特発性」があります。「特発性」には、出産、発熱などによる脱水、強いくしゃみや咳をきっかけに生じるものが含まれます。

死亡に至るほどの重症例はまれですが、長時間の起立姿勢や座位姿勢を保ちづらいため、不登校や長時間の労働が難しくなることがあります。家事ができなくなり、「怠け病」と扱われることもあります。

両側性の慢性硬膜下血腫を合併することもありますが、重篤化する場合があるため、診断や治療には細心の注意が必要です。

脳脊髄液漏出症が疑われる場合は、頭部・脊椎部のMRI、脳槽シンチグラフィー、CTミエログラフィーなどの画像検査を行い、診断基準を満たした場合のみ「脳脊髄液漏出症」と診断され、ブラッドパッチ治療を保険診療で行うことができます。診断基準を満たさない場合は「低髄液圧症」と診断されますが、希望があればブラッドパッチ治療を自費で行うことも可能です。

治療は、まず安静(頭を低く保つ)と補液(5001000mlの点滴投与)を行います。これで改善しない場合はブラッドパッチ治療を行います。これは、自分の血液を腕などから採取し、脊髄の硬膜外というスペースに注入する方法です。凝固した血液が髄液漏出箇所の蓋となることで、症状の改善が期待されます。1度の治療で完治することもありますが、多くの場合は数か月後に注入箇所を変えてブラッドパッチ治療を行います。年単位の治療期間が必要になることもあります。

一宮市立市民病院では、特殊外来として2026年より「低髄液圧症・脳脊髄液漏出症外来」を第1・第3金曜日に開設しています。上記の症状がある場合は、紹介状を持参のうえ受診してください。

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