小児腎臓外来のご案内
小児科副医長 渡邊 千裕
当科では、お子さんの「腎臓」や「おしっこ」に関するさまざまな疾患について、小児の腎臓専門医が診療を行っています。検尿異常や、浮腫(むくみ)、長引く発熱や尿のトラブルなど、気になることがあればご相談ください。
このような症状はありませんか?
- 学校や園の検尿で「血尿」や「蛋白尿」を指摘された
- 尿の色が赤い、茶色い、いつもと違う
- 顔や足がむくんでいる
- 風邪症状のない発熱が続く
- おねしょがなかなか改善しない、昼間の尿漏れがある
- 血圧が高いと言われた
- 腎臓の形や大きさ、腎機能について指摘を受けた
これらの症状や検査結果の中には、腎臓や尿の通り道(尿路)の病気が隠れていることがあります。
対応している主な病気
- 血尿・蛋白尿[急性腎炎(例:溶連菌感染後急性糸球体腎炎)・慢性腎炎(例:IgA腎症)など]
学校や園での検尿で指摘されたり、尿の色の異常(赤色・麦茶色・コーラ色など)で気付かれたりします。急性に出現したものでは、腎機能や体の水分バランス、血圧などを慎重に評価します。慢性に経過するものでは、精密検査や治療が必要なこともあれば、定期的な尿検査で様子をみることもあります。
- ネフローゼ症候群
尿に大量のたんぱくが漏れることで、顔や足などにむくみが出る病気です。初めて診断された場合は入院で全身の状態を整えながら、ステロイドを中心とした治療を行います。
- 尿路感染症(急性腎盂腎炎)
乳幼児を中心にみられる腎臓の感染症ですが、年長児に認めることもあります。鼻水や咳、喉の痛みといった風邪症状を伴わない長引く発熱の場合に特に疑われます。尿培養検査の結果に基づく適切な抗菌薬治療が重要です。繰り返す場合や尿路の異常が疑われる場合は基礎疾患の有無を精査します。オムツが外れた年齢のお子さんでは排尿・排便習慣の見直しが必要なこともあり、本人の理解度に合わせた指導を行います。
- 先天性腎尿路異常[水腎症・膀胱尿管逆流症・多嚢胞腎・単腎症など]
生まれつき腎臓や尿路に異常が見られるものです。尿路感染症や腎機能障害を引き起こす場合があるため、定期検査や必要に応じた感染予防を行います。外科的治療が必要な場合は適切な時期に専門施設と連携し対応します。
- おねしょ(夜尿症)
年齢とともに自然に改善していくことも多いですが、夜尿が長く続く場合や昼間の尿のトラブルを伴っている場合は二次的な原因(腎機能障害や尿路の異常、糖尿病など)が隠れている場合があるため注意が必要です。生活習慣の調整や必要に応じた薬物治療により、お子さまの気持ちにも配慮しながら負担を軽減するようサポートします。
- 腎機能障害(慢性腎臓病)
初期には症状がほとんどないことも多く、血液検査で偶然見つかることがあります。進行を防ぐために、原因となる病気の管理や定期的な経過観察が重要です。
- 高血圧
小児でも血圧が高くなることがあり、健診や病院受診時に指摘されることがあります。原因として腎臓の病気が関係している場合のほか、ホルモン異常などによる内分泌性高血圧や明らかな原因がはっきりしない本態性高血圧もあります。年齢・体格に応じた基準以上の高血圧の場合は繰り返し血圧を評価し、尿検査や血液検査、画像検査などを組み合わせて原因を詳しく調べ、必要に応じて治療を行います。
主な検査内容
当科では以下の検査を実施しています。
- 尿検査(定性・沈渣・尿生化)
- 血液検査(腎機能、電解質、免疫学的検査など)
- 微生物学的検査(尿培養・血液培養) * 腹部超音波検査(腎・膀胱)
- 排尿時膀胱尿道造影VCUG
- 腎シンチグラフィ
- 血圧測定(24時間血圧測定を含む)
- 経皮的腎生検
お子さんの年齢や状態に応じて、できるだけ負担の少ない検査を選択します。
腎生検について
腎生検とは、腎臓の組織を一部採取して顕微鏡で詳しく調べる検査です。より正確な診断や治療方針の決定のために行うことがあります。 当院では以下のような場合に腎生検を検討します。
- 治療が必要な慢性腎炎が疑われる場合
- ネフローゼ症候群の一部
- 原因不明の持続する蛋白尿・血尿
検査の概要
- 超音波で位置を確認しながら、眠った状態または局所麻酔で実施します
- 数日間の入院が必要です * 出血などの合併症に注意しながら、安全に行います
まとめ
腎臓やおしっこの病気は、見た目では分かりにくいことも多いですが、早期発見と適切な経過観察が非常に重要です。 「これくらいで受診していいのかな?」と迷う場合でも大丈夫です。気になる症状があったり検査で異常を指摘されたりした場合は、どうぞお気軽にご相談ください。 ご家族とともに、お子さんの健やかな成長を支えていきます。




