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ドクターインタビュー

小児科における診療

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小児科医長 岡村 淳

小児科ではさまざまな疾患の子どもたちの治療を行っています。その現状について、岡村淳小児科医師に話を聞きました。

Q1. 一宮市立市民病院の小児科について教えてください。

一宮市立市民病院の小児科はNICU(新生児集中治療室)のある新生児部門と一般小児科で病棟が分かれています。小児科病棟は手術が必要な外科・耳鼻科・歯科の患者さんの病床も含めて44床です。小児科に入院の多くは急性期疾患である肺炎、気管支炎、胃腸炎、尿路感染症であり、年齢的には乳幼児のお子さんが大半を占めています。大腸菌や肺炎球菌、溶連菌などの細菌感染症、インフルエンザウイルス・RSウイルス・ヒトメタニューモウイルス・ノロウイルスといったウイルス感染症にかかった小さな子供たちに点滴を行って脱水を予防し、的確な薬を使った治療で早期退院を目指しています。

Q2. 新型コロナウイルスの患者さんの対応はどうしていますか?

発熱外来で時間と空間を区切って他の患者さんと分けて診療し、感染が広がらないように心がけています。また、入院治療は新型コロナウイルス専用の病棟で行っています。新生児、発熱に伴い痙攣している子供、食事がとれない子供が入院の対象になります。

Q3. 感染症以外の入院患者さんもいるのですか?

当科の特徴の一つとして、小児の腎生検が必要な腎臓の病気の子供の入院があります。腎生検とは麻酔下に腎臓に針を刺すことで組織の一部を採取し、病気の診断を行う方法です。専門的な知識が必要で他病院との合同の小児腎臓グループと協力しながら対応しています。ネフローゼ症候群という尿に蛋白がもれる腎疾患で繰り返し再発する場合は腎生検の対象になります。また慢性腎炎やアレルギー性紫斑病に伴う腎炎も腎生検の対象となります。

気管支鏡検査も他の病院ではしていない特殊な入院検査です。主に喉頭軟化症という喉の病気や気管切開をしている患者さんが検査の対象です。喉頭軟化症は主に乳児に認められる病気で、ゼロゼロとした苦しい呼吸が続き、哺乳がうまくできないといった症状がみられます。気管支鏡で喉の状態をみて診断を行います。重症の場合はCPAP(マスクを使って一定の圧を気道にかける呼吸器)で喉を開いた状態にして、呼吸を楽にしてあげることが治療になります。もう一つの治療法である気管切開は、気管に直接呼吸の穴を開けて呼吸の状態を楽にする治療です。近年小児の在宅医療を行っている患者さんが増えてきており、気管切開を受けている子供も増加傾向です。気管支鏡検査では気管の穴の状態を確認し、栄養がきちんと食道に流れているか、誤嚥をしていないかを確認することができます。

また、当院では入院でのアレルギー負荷試験も行っています。乳児、幼児期の代表的なアレルゲンである卵・牛乳・小麦の負荷試験はもちろん、エビ・カニ・ピーナッツなどの多様な食物に対応しています。負荷試験ではアナフィラキシーに備えてすぐに医師が対応できるようにしています。結果はアレルギー専門医によって判断され、退院後に食事の指導を行っています。

 

我々小児科はこの地域の子供たちの健康を守るべく最善の医療を提供したいと考えています。心配なことがあれば遠慮なく相談いただければと思います。

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