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ドクターインタビュー

もしも「がん」と言われたら

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診療局長(外科) 阪井 満

日本人の死因の第一位である「がん」。その診療に長年携わってきた阪井満医師に話を聞きました。

Q1. もしも「がん」や「がんの疑いがある」と告げられたら、まず、どこに相談したらいいですか?

もし、あなたや大切な家族が、「がん」や「がんの疑いがある」と言われたら、あなたは相当なショックを受けて冷静でいられなくなるかも知れませんし、誰に相談したらいいかわからなくて漠然と強い不安に襲われるかも知れません。

「がん」は長年、不治の病とされてきましたので、不安を感じられるのは当然のことです。でも、現在では日本人のおよそ半数の方が一生のうちにかかる疾患であり、誰がかかってもおかしくありません。でも、近年では医療の進歩により多くの方が克服されるようになってきています。ですから、まずは診断を受けられた医療機関に行って、どの病院で治療を受けられるか、よくご相談ください。

さて、私たち一宮市立市民病院は、尾張西部医療圏における唯一の地域がん診療連携拠点病院であり、さまざまな診療科が「がん」に対する専門的な診療を行っています。例えば、胃がん、大腸がん、肝臓がん、膵臓がんなどは主に消化器内科や外科、肺がんは呼吸器内科や外科、乳がんは乳腺外科、血液のがん(白血病など)は血液内科、子宮がん、卵巣がんは婦人科、膀胱がん、腎臓がんは泌尿器科、喉頭がんは耳鼻いんこう科、皮膚がんは皮膚科といった具合です。もちろん、治療の内容に応じて、麻酔科・化学療法センター・放射線治療科などの診療科、そしてさまざまな医療チームの協力を提供することができます。「がん」の治療は時に総力戦です。いろいろな状況に対応するには病院の総合力が問われます。私たちは「がん」の患者さんに安心して治療を受けていただき1日も早く日常を取り戻していただけるよう全面的に支援していきます。

Q2. がんの治療法はどうやって選べば良いですか?

がんの治療には、がんの種類や進行度、そして患者さんの基礎疾患などに応じて、手術、抗がん剤治療、放射線治療など様々な選択肢があります。治療法については、それぞれのがんに「診療ガイドライン」が作成されており、多くの場合、私たちはその内容に沿って、推奨されている治療方法を提案します。

ただし、診療ガイドラインはあらゆる状況に対応できるわけではありません。例えば、2つのがんを同時に発症した場合やどの臓器に由来するかわからないようながんの場合、一つの診療科だけで考えていても良い治療方針を提案できるかどうかわかりません。そんな時、私たちはキャンサーボードと言われる話し合いの場を設けて、いろいろな診療科や職種の意見を集約して患者さんに提案すべき方針を話し合います。

こうした検討を経て、私たちは患者さんに治療方針を提示するのですが、治療方針の選択は医療者が決めるものではなく、患者さんの意向が最も尊重されなければなりません。以前は医師が提示した治療方針が絶対という時代もありましたが、今は医師と患者さんが共同で治療方針に関する意思決定をすることが望まれます。私たちの説明を十分にご理解いただいたうえで、自分にとって最良と考えられる治療法を共に考え、共に治療に向き合いたいと考えています。

Q3. がんの手術の時の体への負担や傷の痛みについて教えてください。

手術は、多かれ少なかれ体への負担や傷の痛みを伴います。患者さんにとって不安材料の一つだと思います。手術、とりわけ全身麻酔の手術の際には、患者さんが手術や麻酔に耐えられるかどうか、がとても重要ですから、私たちは十分に評価し、必要な対策を講じます。

傷の痛みについては、術後疼痛管理チームが中心となって、患者さんが少しでも楽に過ごせるよう対処しています。また、傷の大きさを最小限にし、術後の回復を早めるため、手術内容によっては、カメラを用いた腹腔鏡下手術やロボット支援下(ダヴィンチ)手術などにも積極的に取り組んでいます。

Q4. 持病があっても治療は受けられますか?

近年、社会の高齢化に伴って、がん患者さんの平均年齢も高くなってきています。一宮市立市民病院でも80代や90代のがん患者さんがたくさんおられます。そして、高齢化に伴って、多くの生活習慣病、例えば糖尿病や狭心症、慢性閉塞性肺障害などをお持ちの患者さんが年々増加しています。

私たちは総合病院のメリットを活かして、麻酔科や糖尿病・内分泌内科、循環器内科などと連携して、持病をお持ちの方でも安全にがんの治療を受けていただくことができるよう努めています。また、経済的な不安や社会的な不安に対しては医療ソーシャルワーカーが相談に応じますので、お気軽にご相談ください。

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