内分泌疾患
糖尿病・内分泌内科部長 恒川 卓
内分泌臓器とは
全身のいたるところでホルモンは作られますが、主な内分泌臓器は図の通りです。
主な内分泌疾患
- 甲状腺疾患(バセドウ病、橋本病、甲状腺腫瘍など)
- 間脳下垂体疾患(先端巨大症、クッシング病、プロラクチノーマ、下垂体機能低下症、ACTH単独欠損症、成長ホルモン分泌不全症、中枢性尿崩症、リンパ球性下垂体炎など)
- 副腎疾患(原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫、副腎偶発腫瘍など)
- 膵消化管神経内分泌腫瘍(インスリノーマなど)
- 副甲状腺機能異常に伴う骨・カルシウム代謝異常
※なお膠原病・リウマチ性疾患は当科では診療をしていません。障害を起こしている臓器別の診療科か、全身性のものであれば膠原病内科などの受診をお願いいたします。また、摂食障害も当科では扱っておりませんので、精神科・心療内科のある病院の受診をご検討ください。
内分泌疾患の検査
- 血液や尿のホルモンを測る:採血、採尿、24時間蓄尿検査
- 異常なホルモン産生の場所を調べる画像検査:超音波検査、CTやMRI検査、アイソトープ(RI)を用いたシンチグラム
内分泌負荷試験
- 注射、点滴あるいは薬の内服をして、時間経過とともに採血をすることで、体の中のホルモンのバランスを調べる検査です。
- ほとんどの検査は前日9時以降絶食で行います。
- ブドウ糖負荷試験やカプトプリル負荷試験など、安全性が高く2時間程度で終了する内分泌負荷試験は外来で行うことができます。
- 経過観察が必要な検査や、長時間を要する検査については入院の上実施します。
内分泌疾患の治療
- ホルモン欠乏症:ホルモンを経口薬(一部注射薬)用いて補充します。
- ホルモン過剰症:薬物療法(ホルモン合成阻害薬、拮抗薬)、手術療法あるいは放射線治療で異常に分泌しているホルモンを是正します
- 一宮市立市民病院は日本内分泌学会認定の専門医が多数在籍し、他科と連携した専門性の高い検査および治療が可能であり、ほとんどの内分泌疾患について診断から治療まで当院で完結することができます。
甲状腺疾患、内分泌性高血圧と原発性アルドステロン症については各ページをご覧ください。