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    木曽川市民病院

診療コラム

症状から見る消化器疾患:下痢

消化器内科部長 平松 武

下痢とは

下痢とは、便に含まれている水分が多くなり、液体や泥状(どろじょう)になった状態です。細菌やウィルスなどに感染したとき、食べすぎ・飲みすぎ、からだの冷え、薬の副作用、大腸や小腸などの病気などさまざまです。また、精神的なストレスや強い緊張によって起こることも珍しくありません。

治療と検査

一宮市立市民病院では細菌やウィルスの感染が原因の下痢のときは、基本的には下痢止めを使用しません。下痢止めを使うことにより原因となる細菌やウィルスが身体のなかに残ってしまい、治るどころか逆に悪化してしまうことがあるためです。そのため感染による下痢は脱水症状に気をつけながら、水分をとり「嵐がすぎるのを待つ」ことになります。しかし、水分がとれず脱水になるようなときには点滴をします。さらにひどいときには入院で治療することもあります。
抗癌剤などの特殊な薬を使っているときには副作用で下痢や嘔吐を起こしやすくなります。薬の副作用で下痢がひどくなるときには、その薬を中止し、下痢止めを使って治療することもありますので医師や薬剤師にご相談ください。
大腸や小腸などの病気が原因で下痢や腹痛・下血のような症状がある時は「潰瘍性大腸炎」や「クローン病」といった「炎症性腸疾患」と呼ばれる病気のことがあります。このような病気が疑われるときは大腸カメラなどの検査をして正確な診断をつけた上で治療を行なっていきます。
精神的なストレスや強い緊張によって起こる下痢は「過敏性腸症候群」という病気です。昔は気のせいとされていましたが、現在は薬で症状とうまく付き合うことができるようになってきました。

一口に下痢と言っても原因はさまざまです。きちんと検査をして診断をつけ、治療することで症状の改善を目指しましょう。お気軽にご相談ください。

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