産婦人科とは
産婦人科とは女性特有の病気全般を扱い「産科」と「婦人科」を併せた診療科です。出産だけではなく、子供から年輩の方まで女性全体を対象としています。
「産科」とはお産つまり妊娠や分娩に関係した診療科です。したがって妊婦さんを診る科です。妊娠中の母親のいろいろなできごとを診察し、治療するだけでなく、お腹の中の胎児も診て、時には治療する科です。内科の病気も「妊娠」しているだけで全部産科も関連してしまいます。当院は尾張西部地域周産期センターとして他の病院で対応が困難な産科領域の救急・ハイリスク症例・双胎妊娠を小児科と連携し幅広く受け入れております。
一方、「婦人科」とは妊娠以外の女性特有の病気、たとえば子宮や卵巣の病気を治療したり、女性特有のホルモンの病気、月経異常などを治療する科です。
悪性腫瘍(子宮体癌、子宮頚癌、卵巣癌など)に対する治療も行います。その内容は患者さん一人一人で異なりますが主に手術や化学療法、放射線療法などを行います。当院は開腹手術だけでなく、腹腔鏡下手術を施行しております。その対象は子宮体癌、子宮頚癌、卵巣腫瘍、子宮筋腫、子宮内膜症などです。詳細については産婦人科外来までお問い合わせください。
不妊で悩む女性や更年期障害に悩む女性の治療を行ったり、避妊相談(ピルなど)や閉経後のホルモン補充(HRT)相談も行っています。不妊治療は、排卵誘発・人工授精など施行しています。
当院では毎日手術を行っており、初診から約2ー3週間後には手術枠の確保が可能です。
産婦人科 外来診療医担当表
休診日:土・日曜日、祝日、年末年始(12月29日~1月3日)
受診受付時間 :午前8時~11時15分(全科) ※ただし、急患の方は、随時受付いたします。
スタッフ紹介
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資格・専門領域等
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資格・専門領域等
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こんな病気を取り扱います
<産科疾患>
切迫流・早産、子宮外妊娠、胞状奇胎、妊娠高血圧症候群、多胎妊娠、前置胎盤、常位胎盤早期剥離、胎児発育不全、骨盤位、頸管無力症、早産、前期破水など
<婦人科疾患>
外陰炎・膣炎、性感染症、卵巣機能不全、付属器炎・骨盤腹膜炎、子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣腫瘍、子宮頸がん、子宮体がん、子宮肉腫、卵巣がん、不妊症、更年期障害、子宮脱など
腹腔鏡下手術について
おへそに、2-3cm位の穴をあけ、そこから腹腔鏡という装置を入れてお腹の中を観察します。鉗子と呼ばれる器具をさらに下腹部から挿入します。当院では基本的に右下腹部に5mmの傷とおへその傷この2か所で手術を行います(悪性腫瘍手術の場合は傷が増えます)。特徴としては、傷が小さいため術後の痛みが少ないこと、回復が早く入院期間が短いことがあげられます。対象は子宮体癌、子宮頚癌、子宮筋腫、不妊症、子宮外妊娠、卵巣嚢腫、子宮内膜症などです。
こんなときに、ご相談ください
月経が来ない、月経が不順、月経量が多い、月経痛が強い、月経以外の出血がある
下腹部にしこりを感じる、下腹部が痛い
おりものが多い、外陰部がかゆい・痛い、外陰部にしこりがある
性交時の痛み、出血
子宮が下がった感じがする、尿がもれる
ほてりがある
がんの心配、性病の心配
子供ができない
お産がしたい、合併症のある妊娠で受診をすすめられた
避妊したい、その他、心配なことがある場合はご相談ください
検査について
内診
子宮や卵巣、腟や外陰部(いわゆる「おしも」)の様子などをみるために行う診察のひとつです。腟の中に指を入れて、子宮や卵巣の大きさや硬さなどをみたり、腟鏡という腟の中をみる器具を腟に挿入して、腟や子宮の入口の状態をみます。腟の中に腟鏡や指を入れるときに、少しいやな感じがすることがあります。緊張しすぎると痛く感じるものなので、ゆっくりと息をはいて力をぬきましょう。もし、痛いようでしたら、遠慮せずに痛いと言ってください。
超音波検査
産婦人科で行う超音波検査は、経腟超音波検査と経腹超音波検査に分けられます。
- 経腟超音波検査は、腟の中に細い筒状の器具(経腟プローベ)をいれて、子宮や卵巣及びその周囲の状態をみます。妊娠12~14週頃までの赤ちゃんの状態や胎嚢をみるとき、切迫早産の症状があるとき、比較的小さな子宮筋腫や卵巣嚢腫をみるとき、骨盤内腫瘍や腹水の有無をみるとき、子宮内膜の状態をみるとき(不妊症や子宮内膜ポリープ、子宮体がんなど)、卵巣内の卵胞の大きさや数をみるとき(不妊症や月経不順など)に使用します。
- 経腹超音波検査は、お腹の上から経腹プローベという器具をあてて、広い範囲を観察することができます。妊娠12~14週以降の赤ちゃんの発育や羊水量、胎盤の位置をみるとき、比較的大きな子宮筋腫や卵巣嚢腫をみるとき、腎臓や肝臓をみるときに使用します。
超音波検査はレントゲン検査とは異なり、放射線は出しません。検査に使う超音波では、胎児や人体に影響はないと考えられています。
細胞診検査
産婦人科で最もよく行われる細胞診検査は子宮がん検診の場合です。子宮腟部、頸管、子宮内膜を綿棒などの器具でこすり、はがれた細胞を用いて細胞診検査用の標本を作ります。これを顕微鏡で観察し、悪性の細胞がないかどうかを判定します。
組織診検査
人の身体からある程度大きな組織片を採取し、これを顕微鏡で観察する検査のことです。がんかどうか、がんの場合はどのような種類のがんかなどを判定します。子宮がん検診でがんなどが疑われた場合などに行います。
腫瘍マーカー
腫瘍マーカーは血液中に存在する物質の一種です。身体のどこかにがんができると腫瘍マーカーが産生され、血液検査で高値を示すようになります。腫瘍マーカーには様々な種類があります。産婦人科でよく測定されるのはCA125、CA19-9、SCC、CEA、AFPなどです。どんな腫瘍マーカーが高値になるかはがんの種類によって異なります。腫瘍マーカーが高いからといってがんがあるとは限りません。良性腫瘍や、腫瘍以外の原因(子宮内膜症など)でも腫瘍マーカーが高い値を示すことがあります。
CT検査
CTとはX線とコンピューターを使って体の断面を輪切りの状態(断面画像)で見ることができるようにする装置です。断面画像からは、体の各臓器の形態、大きさ、位置などを確認することができます。普通のX線写真ではわからない、体の中の臓器を断面図としてみることができます。超音波検査や普通のX線写真で子宮や卵巣などの腫瘍が疑われるときに、さらによく調べるために行います。X線検査のひとつですから、普通のレントゲン検査と同じようにできるだけ検査回数を減らした方がよいでしょう。しかし、普通に検査を行っている範囲内では副作用がでることはありません。X線を浴びるので妊娠中の検査は控えます。また、喘息や造影剤のアレルギーのある方は造影剤を使った検査はできません。
MRI検査
磁石が埋め込まれたトンネルの中に体を入れて、コンピューターによって体内を映し出す方法です。超音波検査で子宮や卵巣に腫瘍などがあったときや子宮の奇形などが疑われるときに、さらに詳しく調べるために行います。X線被曝がないため妊娠中に胎児や胎盤に異常があるときに検査することもあります。
不妊症検査
基礎体温、子宮卵管造影、フーナーテスト(性交後検査)、血中ホルモン検査、精液検査、腹腔鏡検査など。
羊水検査
妊娠中の子宮内に針を刺し羊水を採取し検査します。適応や詳細につきましては外来までお問い合わせください。
手術数及び分娩数
2017年度 | 2018年度 | ||
婦人科 | |||
手術総数 | 283 | 327 | |
悪性腫瘍手術(腹腔鏡含む) | 50 | 80 | |
腹腔鏡手術 | 64 | 174 | |
(子宮全摘術) | 7 | 79 | |
(付属器・その他) | 57 | 95 | |
子宮鏡下手術 | 26 | 14 | |
産科 | |||
分娩数 | 618 | 603 | |
双胎妊娠分娩 | 35 | 50 | |
帝王切開 | 236 | 251 | |
母体搬送 | 64 | 60 |
施設認定の状況
尾張西部地域周産期母子医療センター
日本婦人科腫瘍学会指定修練施設
日本周産期・新生児指定施設
当科ではご興味がある方・勤務を希望される方の見学を随時お待ちしておりますのでいつでも御連絡ください。