概要
取り扱う疾患は、胸部悪性腫瘍（原発性肺がん、転移性肺腫瘍、悪性胸膜中皮腫など）や縦隔腫瘍、気胸、炎症性肺疾患、重症筋無力症に対する拡大胸腺全摘などの呼吸器関連疾患、胸部外傷などです。治療方針に関しては、呼吸器内科、放射線治療科、放射線診断科、病理診断科等と連携し、エビデンスに基づいたうえで個々の患者さんに合わせて最適な治療を選択するように心がけていきます。高齢化社会を反映して、呼吸器疾患に加えて他の疾患を有するような患者さんが増加しています。そのような状況に対しても総合病院の利点を活かし、関連する診療科の医師と緊密に連携を取りながら最善の医療を提供できるよう配慮しています。
手術が必要な場合は、名古屋大学医学部附属病院呼吸器外科と連携し病状に応じて一宮市立市民病院または名古屋大学医学部附属病院で手術を行います。
診療内容
原発性肺がん
肺から発生する悪性腫瘍です。がんの大きさやリンパ節への転移状態によってステージ０からⅣに分類されます。ステージに応じて手術・抗がん剤・放射線治療が選択され、複数の治療を併用することもあります。手術ではがんのステージや患者さんの体力に合わせて切除する範囲を決定します。手術で摘出したがんの精密検査結果によっては術後に抗がん剤治療を要することがあります。
転移性肺腫瘍
大腸がんや乳がんなど、肺以外のがんが血流やリンパ流によって肺に運ばれて肺にできた悪性腫瘍の総称です。元のがんが治療で制御されていることを前提に手術を行います。転移性肺腫瘍ができた部分のみを切除する手術を行いますが、腫瘍ができた位置によって切除範囲が異なります。
気胸
肺の表面にできたブラと呼ばれる小さな風船状の病変が破れることにより、肺から空気が漏れ出す病気です。原因となっているブラを切除することで治療しますが、切除部位に新たなブラが発生し気胸再発の原因となることがあるため、当院ではシート状の人工物（ポリグルコール酸）で切離部分を被覆して気胸の再発率を低下させます。
縦郭腫瘍
心臓、胸骨、肺に囲まれた狭い領域に発生する腫瘍の総称です。具体的には胸腺腫、胸腺がん、悪性リンパ腫、奇形腫、嚢胞などがあげられます。悪性から良性までさまざまであり、その疾患に応じて手術や抗がん剤の治療を行います。
診療実績
| 2022年 | 2023年 | |
| 呼吸器外科手術総数 | 36 | 31 |
| 肺がん | 17 | 12 |
| 転移性肺腫瘍 | 8 | 4 |
| 気胸 | 11 | 14 |
| その他 | 0 | 1 |
スタッフ紹介
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非常勤医師
上野 陽史 うえの はるし
資格 日本外科学会認定外科専門医 呼吸器外科専門医合同委員会認定呼吸器外科専門医 da Vinci Surgical Systemコンソールサージャン・プロクター がん治療認定医機構認定医 緩和ケア研修会修了 臨床研修指導医講習会修了 専門分野 肺がん集学的治療における外科治療 胸腔鏡手術 周術期のリスク管理
外来担当医表
| 診察室 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 |
|---|---|---|---|---|---|
| 午前11 | 上野 |