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    木曽川市民病院

呼吸器内科

概要

当科は地域の呼吸器診療における基幹病院の役割を担い、多種多様な呼吸器の病気の診断・治療を総合的に行っています。呼吸するということは、必要な酸素を体内にとり込み不要な二酸化炭素を体外へ放出することです。呼吸器内科はこの呼吸に携わる気管支と肺の病気をもつ患者さんを対応しています。主な病気としては肺がん・肺炎・慢性閉塞性肺疾患・気管支喘息・間質性肺炎・気胸などになります。愛知県内では数少ない結核病床を有する病院で、結核の入院診療を行っています。

当科では、可能な限り患者さんのご要望にお応えしながら、患者さんの状態や症状にあわせて科学的根拠に基づいた治療を提供いたします。呼吸器の病気でお悩みの方がおられましたら、お気軽にご相談ください。

診療内容

肺がん

当院はがん診療連携拠点病院の役割を果たすべく、呼吸器外科・放射線治療科とともに集学的治療を行っています。肺がんの患者さんは増加し、男性では10人に1人、女性では21人に1人で肺がんになるといわれ、がんにおける死亡者数では男性では第1位、女性では大腸がんについで第2位となっています。当院では診断として通常の気管支鏡に加えて、細径気管支鏡や超音波内視鏡といった特殊な機器を用いて積極的な診断を行っています。胸水貯留の症例には局所麻酔下に胸腔鏡検査を行っています。標準治療は手術・放射線治療・抗がん剤治療になりますが、呼吸器内科・呼吸器外科・放射線治療科と週に1回カンファレンスを開催し、多面的な見地から患者さんの治療決定を行っています。また、がんの特性に応じて分子標的薬や免疫療法を行っています。当院では緩和病棟を有しており、緩和ケアチームと連携して肺がん患者さんがよりよい生活が送ることができるように努めています。

肺炎・肺結核

肺炎で亡くなる方は約10%におよび、死亡原因の第3位に位置付けられ高齢社会とともに増加することが予想されます。当院では、ガイドラインに沿った適正な抗菌薬治療を行い、高齢者に対しては口腔ケア・嚥下リハビリテーション・栄養療法を行っています。肺結核の罹患率は年々減少傾向にあるものの他の先進国よりも多く、都道府県別では平成28年の調査では愛知県では3番目に多い結果でした。治療は抗結核薬を半年以上内服していただき、感染のおそれがある場合には入院が必要になります。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

COPDはタバコが原因により気管支が細くなり、せきや息切れが生じる病気です。認知度が低く見逃されていることが多く、多くがCOPDと診断されていません。長く続くせき・たん・動いた時の息切れがある方はCOPDである可能性がありますので受診してください。病状は進行性であり、治療を施さないと呼吸機能の低下はとどまらず、いずれ常に息切れを感じるようになります。治療としては吸入治療を中心とした薬物治療と呼吸リハビリテーションを行います。酸素が十分に取り込めない患者さんには在宅酸素療法や在宅人工呼吸療法を行うこともあります。予防医療の観点より、禁煙外来を併設し、インフルエンザや肺炎球菌ワクチンの接種を積極的に行っています。また、当院ではかかりつけ医の先生方と連携して診療を行うCOPD医療連携パスを推進しています。

気管支喘息

気管支喘息は、主にアレルギー性の炎症によって急に空気の通り道となる気管支が狭くなってしまい、「ヒューヒュー」「ゼーゼー」し始めて呼吸が苦しくなる状態(いわゆる発作)を繰り返す病気です。気管支喘息では、気管支に慢性的な炎症が起こっていることが分かっています。この炎症のために簡単な刺激が入っただけでも気管支の壁が腫れたり、粘液(痰)が分泌されたり、気管支の周りの筋肉が縮もうとしたりして気管支が狭くなってしまい発作が起こります。そのため、炎症を治さない限りいつまでも発作が出現します。さらに、長く炎症が続いてしまうと気管支自体が硬くなって治療が難しくなる「リモデリング」といった状態に陥ってしまいます。現在、気管支喘息は種々の薬剤が開発され適切に治療することにより改善する病気になりました。早期からの適切な吸入治療が重要であり、難治性の気管支喘息の患者さんに対しては生物学的製剤なども提案しています。


間質性肺炎

間質性肺炎は何らかの原因により(原因が特定されない場合もあります)、酸素を体内に取り込む肺胞やその周囲に炎症が起こり、うまく酸素が取り込めなくなる難病です。当院では原因検索のために気管支鏡検査や外科的肺生検を行っています。間質性肺炎は多種多様な疾患群で、難病指定に該当するものもありますので、その場合は当院で申請が可能です。ステロイドと免疫抑制剤による治療が中心になりますが、一部には抗線維化薬を使用します。

気胸

気胸とは、肺に穴が開き空気がもれて胸の中で肺を包む胸膜腔の中に空気がたまる状態です。気胸になると息を吸っても肺が広がりにくく呼吸がうまくできません。安静で穴は塞がることがありますが、改善が認められない場合にドレナージ術(細いチューブを胸膜腔に挿入して貯まった空気を抜くこと)を行います。呼吸器外科の医師による手術を行うこともあります。


呼吸不全

慢性閉塞性肺疾患(COPD)・間質性肺炎・結核後遺症などの慢性呼吸不全の患者に対して、薬物療法だけではなく、呼吸専門の理学療法士による呼吸リハビリテーション・栄養士からの栄養指導・呼吸器内科の看護師より日常生活の指導など多面的な介入を行っています。また、適応があれば、在宅酸素療法(LTOT)のみならず在宅非侵襲的陽圧呼吸療法(NPPV)の導入も行っています。慢性呼吸器疾患患者さんはADLの低下により自宅退院が困難となり、入院が長期化したり進行とともに次第に入院が頻回となったりする場合が多く、CRNCNを中心として患者・家族への指導や教育を行っています。

検査

血液・画像検査

炎症反応・臓器障害や腫瘍マーカーなど診断・治療の一助といたします。近年では多種多様な特異的マーカーも測定できるようになり、血液検査を行うだけで診断・重症度判定がある程度行うことができます。

呼吸機能検査

COPD・気管支喘息の診断や治療に必須の検査です。疾患の重症度、COPDと喘息の合併、他疾患の有無などの評価をすることができ、治療選択を行う上で重要です。間質性肺炎の診療にも有用です。

気管支鏡検査

胸部レントゲン検査やCT検査で肺がんや間質性肺炎や非結核性抗酸菌症などの感染症が疑われた場合に気管支鏡検査を行うことがあります。気管支鏡検査では気管支内を観察するとともに異常な部位から組織や細胞を採取し病気の診断を行います。肺がんの場合は遺伝子検査を行う場合があり治療選択の判断材料としています。

当院では超音波気管支鏡を用いて診断率の向上に努めています。また、検査時の患者さんの苦痛を和らげるため麻酔(のどへの局所麻酔薬や注射での鎮痛剤、鎮静薬など)を使用しています。検査日は週3回(月・水・木曜日)設けており、一泊二日もしくは日帰りで行います。

胸腔穿刺・胸腔鏡下胸膜生検

画像検査で胸水を認めた場合は通常は胸水を細い針で抜いて原因を調べます(胸腔穿刺)。しかし胸腔穿刺で診断できない場合は局所麻酔下胸腔鏡検査を行います。胸水が貯留している部位に内視鏡(胸腔鏡)を挿入し、胸の内部を観察するとともに、内部の異常な胸膜から細胞を採取し胸水の原因診断を行います。

6分間歩行試験・心肺負荷試験

COPDなど呼吸器疾患により動いた時の息切れのある患者さんに行う運動耐容能(運動能力)を評価する検査です。6分間歩行試験は6分間で歩くことができる距離を測定する運動耐容能(運動能力)をみる標準的な検査であり、心肺負荷試験は患者さんの呼吸状態を感知するマスクを装着しながら自転車をこぎながら測定する検査です。この運動耐容能は呼吸器の病気の重症度や予後を推定するのに有用であり病態把握や治療指針に役立てています。

診療実績

2023年 2024年 2025年
外来患者数 22468 24466 17711
入院患者数 1252 1300 1290
気管支鏡検査数 234 236 250
医師が解説 病気と治療

スタッフ紹介

  • 福島 曜

    呼吸器内科部長

    福島 曜 ふくしま あきら

    資格 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医 日本結核学会結核・抗酸菌症認定医・指導医 日本呼吸器内視鏡学会専門医・指導医 日本化学療法学会抗菌化学療法認定医 日本禁煙学会認定指導医 日本呼吸器学会呼吸器専門医 臨床研修指導医 医療安全管理者 緩和ケア研修会修了 難病指定医 日本肺癌学会暫定指導医
    専門分野 呼吸器内科全般 患者安全
  • 医長

    西永 侑子 にしなが ゆうこ

    資格 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医 日本呼吸器学会呼吸器専門医 緩和ケア研修会修了
    専門分野 呼吸器内科全般
  • 医長

    木村 令 きむら りょう

    資格 日本内科学会認定内科医 日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医 日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医 日本内科学会総合内科専門医 臨床研修指導医 難病指定医 緩和ケア研修会修了
    専門分野 呼吸器内科全般
  • 医長

    大槻 遼 おおつき りょう

    資格 日本内科学会認定内科医 日本内科学会総合内科専門医 日本呼吸器学会呼吸器専門医 緩和ケア研修会修了
    専門分野 呼吸器内科全般
  • 医員

    井澤 泰紀 いざわ やすき

    資格 緩和ケア研修会修了
    専門分野 呼吸器内科全般
  • 医員

    尾関 快 おぜき かい

    専門分野 呼吸器内科全般
  • 医員

    藤野 佑一朗 ふじの ゆういちろう

    資格 緩和ケア研修会修了
    専門分野 呼吸器内科全般
  • 非常勤医師

    本多 豊大 ほんだ とよひろ

    資格 日本内科学会 認定医 日本呼吸器学会 専門医 日本産業医
    専門分野 呼吸器内科全般

外来担当医表

診察室 月 火 水 木 金
午前08 大槻 福島
午前11 木村 福島 西永 井澤 西永
午前12 岩本 浅野 大槻 木村 南谷

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