概要
当科は常勤医師6名、代務医4名から成り、関節リウマチを中心として、広く運動器の疾患を治療しています。外傷全般(高齢者の骨折から交通外傷などの高エネルギー外傷まで)、リウマチ性疾患、手の疾患、脊椎疾患、膝肩スポーツ疾患、小児整形疾患などを対象としています。専門性の高い疾患・病態についても、それぞれの専門外来において対応しています。高齢化社会を迎え、整形外科でも高齢者の患者さんが多くなっており、循環器・呼吸器疾患などを合併していることも多く、各診療科との協力のもとに集学的治療を実施しています。
診療内容
関節リウマチ
関節リウマチ、リウマチ性多発筋痛症、脊椎関節炎(強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、反応性関節炎、炎症性腸疾患関連関節炎)、掌蹠膿疱症性骨関節症、変形性関節症の手術療法、膠原病に伴う関節症状を専門的に治療します。当院は古くより整形外科においてリウマチ専門外来を開設して治療に当たっていましたので、現在も尾張北部地区では最大の患者数を抱え、2017年4月よりリウマチ科を標榜するに至りました。四肢関節の腫脹や痛みについては通常の整形外科疾患と区別する必要がありますので、まずは整形外科で診察し、適宜リウマチ科において診療を行います。また、診療枠の関係で整形外科にて診療を行うこともありますが、整形外科医がリウマチ科医を兼務しており、すべてリウマチ専門医の管理のもと治療します。詳細についてはリウマチ科の紹介をご参照ください。
外傷外科
骨折を中心とした外傷治療については、最新の知見を基に治療方法を検討し、外傷の状態や希望に応じて、もっとも適切と思われる方法を選択し、早期の社会復帰を目指しています。3次救急指定病院であるため、多発外傷、高エネルギー外傷の治療にも対応しています。高齢化が進む中で、高齢者に多い大腿骨近位部骨折の発生件数は年々増加して社会問題化しています。同骨折に対しては、寝たきり・認知症の増悪などを予防するためにできる限り早期に手術を行い、早期離床を目指して治療をしています。また、連携クリニカルパスを用いて、スムーズにリハビリテーション病院へ転院ができるように工夫をしています。
人工関節手術
変形性股関節症や変形性膝関節症、関節リウマチなどの疾患により、日常生活において関節の疼痛や可動域制限など支障を生じ、保存的治療では限界にある場合に人工関節手術の適応となります。クリーンルームを用いるなど総合的に周術期の感染対策を行い、貯血式自己血輸血(本人の血液を自身の手術のために保存する方法)を積極的に行い、同種血輸血(他人からの輸血)を回避するなど、人工関節手術を安全に行う環境整備をしています。連携クリニカルパスを用いて、スムーズにリハビリテーション病院へ転院ができるように工夫をしています。人工股関節置換術(THA)、人工膝関節置換術(TKA)に関しては年間約50例、人工骨頭は年間約70例実施しています。さらにはリウマチ科のある当院では人工肘関節置換術などにも対応しています。
手の外科
上肢(手指、手関節、肘関節)を中心とした専門外来です。上肢の障害で多くみられるばね指、手根管症候群、肘部管症候群に対して患者さんの症状と目的に合わせた治療を行っています。外傷では上肢の骨折や腱損傷などに対して治療を行います。また当院はリウマチ科を有し、多数の関節リウマチ患者さんが通院しているため、関節リウマチによる手指・手関節の変形や機能障害についても積極的に治療を行なっています。名古屋大学から週1回、手の外科専門医による専門外来を開設していますので、まずは通常の整形外科で診察し、より専門的な治療や診断が必要と判断された場合には専門外来で診療を行います。
膝・肩・スポーツ
膝関節・肩関節の疾患、関節鏡手術、そしてスポーツ外傷・障害を専門とした外来です。膝関節では半月板損傷や靱帯損傷、軟骨損傷など、肩関節では反復性肩関節脱臼や腱板断裂、足や肘関節、肩関節に生じるスポーツ障害(例:三角骨障害・野球肘・野球肩)などを対象としています。これらの疾患に対して関節鏡などの手術療法だけではなく、保存療法・自宅での自主リハビリなども含めて総合的に治療方針を決定していきます。またスポーツをしている患者さんに対しては、個々人の目標に合わせた治療方針を検討していきます。名古屋大学から隔週で専門医による専門外来を開設していますので、まずは通常の整形外科で診察し、より専門的な治療や診断が必要と判断された場合には専門外来で診療を行います。
脊椎外科
腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症・腰椎分離症・頚椎椎間板ヘルニアや頚椎症性脊髄症、後縦靭帯骨化症や黄色靭帯骨化症など一般的な脊椎疾患の他、脊髄腫瘍、関節リウマチに伴う脊椎疾患による首・背中・腰の痛みや手足のしびれなどを対象としています。江南厚生病院から隔週で、専門医による専門外来を開設していますので、まずは通常の整形外科で診察し、より専門的な治療や診断が必要と判断された場合には専門外来で診療を行います。
小児整形外科
大きく分けると先天的な疾患(生まれつきの病気)と外傷(骨折脱臼)を含めた後天的な疾患(生まれてから生ずる病気)にわけられます。名古屋大学から月1回、専門医による専門外来を開設していますので、まずは通常の整形外科で診察し、より専門的な治療や診断が必要と判断された場合には専門外来で診療を行います。肘・手の外科、脊椎外科(側彎症など)などについては適宜それぞれの専門外来で対応します。
診療実績
2021年 | 2022年 | 2023年 | |
上肢・手 | 144 | 82 | 89 |
下肢 | 134 | 85 | 86 |
外傷 | 547 | 572 | 540 |
リウマチ | 3 | 14 | 57 |
スポーツ | 3 | 4 | 1 |
小児 | 2 | 0 | 0 |
腫瘍 | 16 | 15 | 1 |
計 | 849 | 772 | 774 |
診療科・部門のご案内
ドクターインタビュー
スタッフ紹介
-
整形外科部長
花林 雅裕 はなばやし まさひろ
資格 日本整形外科学会専門医 日本リウマチ学会専門医・指導医・評議員 中部リウマチ学会評議員 日本骨粗鬆症学会認定医 日本リウマチ学会登録ソノグラファー 東海整形外科外傷研究会幹事 身体障害者福祉法第15条指定医(肢体不自由) 難病指定医 臨床研修指導医講習会終了 緩和ケア研修会修了 名古屋大学医学部臨床講師 専門分野 整形外科全般 関節リウマチ 脊椎関節炎 骨粗鬆症 人工関節 -
リウマチ科部長
横田 裕 よこた ゆたか
資格 日本整形外科学会専門医 日本リウマチ学会専門医 臨床研修指導医講習会修了 専門分野 整形外科全般 関節リウマチ 脊椎関節炎 人工関節 -
副医長
佐藤 駿文 さとう としふみ
資格 緩和ケア研修会修了 日本整形外科学会専門医 専門分野 整形外科全般 -
副医長
平松 泰 ひらまつ ゆたか
資格 日本整形外科学会専門医 専門分野 整形外科全般 -
医員
水野 健 みずの けん
専門分野 整形外科全般 -
医員
榛原 梓園 はいばら じえん
資格 緩和ケア研修会終了 専門分野 整形外科全般 -
医員
伊藤 史宙 いとう ふみひろ
専門分野 整形外科全般 -
医員
河野 晃大 かわの あきひろ
専門分野 整形外科全般 -
非常勤医師
松下 雅樹 まつした まさき
専門分野 整形外科全般 -
非常勤医師
宇野 格 うの いたる
専門分野 整形外科全般 -
非常勤医師
浅見 雄太 あさみ ゆうた
専門分野 整形外科全般 -
非常勤医師
石塚 真哉 いしづか しんや
専門分野 整形外科全般 -
非常勤医師
都島 幹人 つしま みきと
専門分野 整形外科全般 -
非常勤医師
篠原 孝明 しのはら たかあき
専門分野 整形外科全般 -
木曽川市民病院 副院長
三宅 洋之 みやけ ひろゆき
資格 日本整形外科学会専門医 日本リウマチ学会専門医 日本リウマチ財団登録医 日本骨粗鬆症学会認定医 身体障害者福祉法第15条指定医(肢体不自由) 難病指定医 専門分野 リウマチ性疾患全般
外来担当医表
診察室 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 |
---|---|---|---|---|---|
午前06 (初診) |
河野 |
伊藤 | 横田 | 平松 | 水野 |
午前07 (予約) |
水野 | 篠原 (第2週) 横田 |
河野 |
伊藤 |
平松 |
午前08 (予約) |
岩瀬 | ||||
午後07 (予約) |
石塚 (第2・4週) |
宇野 (第1・3・5週) 都島 (第2・4週) |
書類外来 花林 |
松下(小児) (第1週) 吉田 (第3週) |