概要
みなさんは「がんゲノム」「遺伝子パネル検査」といった言葉を聞いたことがありますか。
Genome(ゲノム)とは、gene(遺伝子)と接尾語ome(全体・かたまり)を合わせた造語で、「ある生物種が持つ遺伝情報総体」を指します。ヒトは約23000種類の遺伝子を持つとされています。医学の進歩とともに、細胞の分裂・増殖の過程で変異など何らかの遺伝子異常が生じ、それを修復できず異常が蓄積されることで、細胞は「がん化」することが解明されてきました。一つの遺伝子が複数の臓器のがんの原因となり得ますし、また一種類の臓器のがんが複数の原因遺伝子の集合体であることも明らかになりました。つまり、同じ臓器のがんでも、遺伝子異常は一人一人異なるのです。診療科によってはいくつかの遺伝子検査を行った結果で治療方針を決めるという診療がすでに行われています。がん遺伝子パネル検査(がんゲノムプロファイリング検査)は、数百種類もの遺伝子を一度に網羅的に解析し、患者さん一人一人異なる遺伝子の異常に適合する薬剤を探索するための検査です。
我が国においては2019年6月に、がん遺伝子パネル検査が保険診療で実施できるようになりました。当院は2020年2月に「がんゲノム医療連携病院」に指定され、がんゲノム外来を開設しました。患者さんの全身状態・病勢・治療歴・検体の有無などを踏まえて、検査の適応を判断しています。がんゲノム外来は各診療科からの紹介による完全予約制です。まずは主治医にご相談ください。
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診療実績
2021年 |
2022年 |
2023年 |
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がんゲノムプロファイリング検査 |
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