概要
現在の医療は画像検査なくして成り立たないほどその重要性は増しています。CTやMRIなどの医療診断機器の進歩も目覚ましく、質の高い医療を提供するには正確な画像診断が第一歩です。その画像診断を専門にするのが放射線診断科です。通常は直接患者さんに会う機会はありませんが、画像を通じて各診療科の医師を支えることで陰ながら患者さんのために働いています。また、放射線診断科の仕事は医療の質や安全など病院機能の根幹にも深く関わっており、病院の中で非常に重要な役割を担っています。CT・MRI・核医学検査を全例読影することで迅速で安全な医療に貢献しています。
画像知識をもとに低侵襲な血管内治療(Interventional Radiology、IVR)も行っています。特に救急領域でのカテーテルによる止血術は非常に重要な役割を担っており、迅速で効果的かつ「患者さんに優しい」治療の普及に努めています。
各診療科とのカンファレンスやキャンサーボードを通じてコミュニケーションを充実させ、気軽に相談できる関係を築くことで診療水準の向上を目指しています。また、診療放射線技師や看護師などスタッフとも日々コミュニケーションを密にすることで、画像検査の最適化に努めています。
診療内容
外傷性出血や術後出血に対する塞栓術
産科領域出血に対する塞栓術
多血性腫瘍に対する塞栓術
喀血に対する気管支動脈塞栓術
消化管出血に対する塞栓術
末梢動脈瘤に対する塞栓術
肺や骨盤など動静脈奇形静脈に対する塞栓術
胃静脈瘤バルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術
門脈体循環シャント塞栓術
経頚静脈的肝生検
原発性アルドステロン症に対する副腎静脈サンプリング術
頭頚部腫瘍に対する放射線治療+動注化学療法
リンパ系造影および塞栓術
悪性大静脈症候群ステント留置術
血管内異物除去術
CT/超音波ガイド下生検術・ドレナージ術
CTガイド下肝経皮的ラジオ波焼灼術
診療実績
2021年 | 2022年 | 2023年 | |
CT検査 | 33609 | 33971 | 35897 |
MRI検査 | 9099 | 9120 | 9010 |
核医学検査 |
1398 | 1371 | 1343 |
IVR(画像下治療) | 194 | 214 | 246 |
IVR(画像下治療)手技内容 | 2021年 ~ 2023年(3年間) |
TAE止血術(外傷、術後、消化管、産科、喀血など) | 162 |
TACE/TAE/TAI(肝細胞癌や多血性腫瘍など) | 80 |
末梢動脈瘤 塞栓術 | 10 |
AVM(動静脈奇形)塞栓術 | 6 |
BRTO(胃静脈瘤、門脈体循環シャントなど) | 20 |
PTPE(肝腫瘍術前門脈塞栓術) | 5 |
PSE(部分脾動脈塞栓術) | 7 |
血管形成術(悪性大静脈症候群、門脈ステントなど) | 4 |
産科 腸骨動脈バルーン閉塞術 | 3 |
経頸静脈的肝生検 | 2 |
副腎静脈サンプリング | 5 |
血管内異物除去 | 1 |
CT/USガイド下生検・ドレナージ | 343 |
その他(血管造影、PICCなど) | 5 |
スタッフ紹介
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放射線診断科部長
永井 圭一 ながい けいいち
資格 日本専門医機構放射線科専門医 日本医学放射線学会放射線診断専門医 日本IVR学会IVR専門医 緩和ケア研修会修了 専門分野 画像診断 IVR -
医長
後藤 多恵子 ごとう たえこ
資格 日本専門医機構放射線科専門医 日本医学放射線学会放射線診断専門医 日本乳がん検診精中機構検診マンモグラフィ読影認定医 緩和ケア研修会修了 専門分野 画像診断 IVR -
医長
北林 香子 きたばやし きょうこ
資格 日本医学放射線学会放射線診断専門医 日本医学放射線学会研修指導医 緩和ケア研修会修了 専門分野 画像診断 IVR -
医員
深谷 有 ふかや ゆう
資格 緩和ケア研修会修了 専門分野 画像診断 IVR