概要
以前は、抗がん剤治療といえば入院でしたが、抗がん剤の発展と支持療法(有害作用を和らげる治療)の進歩により、抗がん剤治療のほとんどを外来通院で実施できるようになり、患者さんは長い入院による拘束を免れ、自生活を保ちながら、がん治療を受けることができるようになりました。このような外来における抗がん剤治療を担当しているのが化学療法センターです。近年では、投与経路が静脈点滴のみならず皮下注射製剤も開発されており、造血器悪性腫瘍に対する皮下注射も行っています。また、自己免疫疾患に用いる生物学的製剤の投与管理も担当しています。
診療内容
拠点病院の重要な認定要件の一つでもある「外来化学療法室」は、2005年に設立され、5床から運用を開始しました。2011年には病床を20床まで増やし、院内横断的ながん診療体制を整えてきました。2018年10月には新設されたC棟2階に25床に増床した「化学療法センター」を開設しました。現在、当院において外来化学療法を受ける患者数は大幅に増え、年間6000件を超えるまでになりました。
新薬の登場、適応症の拡大に伴い複雑化する抗がん剤治療に対応するため、がん薬物療法専門医が主科の補佐や有害事象発現時の対応を行っています。投与管理は、がん化学療法看護認定看護師のトレーニングを受けたスタッフにより行い、有害事象のケアや生活に関する助言も行っています。また、がん専門薬剤師が服薬指導や治療内容の確認を行い、治療に伴う注意点を十分理解して頂けるよう支援しています。
さらに、化学療法推進小委員会・キャンサーボード小委員会・症例相談を通して抗がん剤治療の在り方を審議し、院内全体のがん診療レベルの向上を図っています。我々、化学療法センタースタッフ一同は、質の高い医療を提供し、患者さんに安全でより快適に抗がん剤治療を受けてもらえるよう努めていきます。
診療実績
2021年 | 2022年 | 2023年 | |
化学療法 | 4456 | 4258 | 4673 |
皮下注射 | 1069 | 1245 | 1259 |
生物製剤 | 1116 | 1097 | 1071 |
総計 | 6641 | 6600 | 7003 |
スタッフ紹介
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化学療法センター長
龍華 朱音 りゅうげ あかね
資格 日本内科学会 認定医・総合内科専門医 日本血液学会 血液専門医・血液指導医 日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医・指導医 緩和ケア研修会修了 専門分野 臨床腫瘍学 化学療法 血液内科学